+オーナー夫人の「秘密手帖」+
オーナー夫人がひっそり集めた、アパートの秘密をこっそり公開


「困った職業」


猫アパートの初めての入居者となったHさん
最初は「消えた女」に出演して貰おうと思ってい

しかし、配役リクエストが「女王直属の凄腕諜報
部員」だった
しかも殺し屋らしい
「消えた女」は開店休業中だったし、それにその
世界観は「禁酒法時代のアメリカ」を意識してい
たため、「女王陛下」には少々、無理があった
その上、あの小説では誰も殺さないと決めていた

仕方ないので「猫アパート」というもう一つの世
界を作り、そこではハードな話やブラックな話も
載せることに決めた
後にも先にも、あれほど困った職業をリクエスト
された試しはない


「苦労話」


大体のエピソードは、構想(頭の中で行う)が決
まったら、殆ど一日で書き上げる
しかし、「宇宙人を出して欲しい」というリクエ
ストが来たときは、正直言って構想がまとまらな
かった
まぁ、なんでも「有り」にしようと思っていたシ
リーズだし?
宇宙人の一人や二人、出したところで世界観が失
われることはないだろうと思ったけれど…
しかし、宇宙人の形態がどうしても思い浮かばな
かった
その結果、宇宙人は「可変視」になった
こんな時、役立つのはトレッキーとしての知識だ
とつくづく思った出来事だった


「その後の住人たち」


よく「猫アパート」のエピソードを読んだ方から、
「あの後、○○(登場人物名)はどうなったので
すか」という質問や「続きを書いて欲しい」とい
うリクエストを頂く
「猫アパート」シリーズを立ち上げるに至ったと
き、密かに、心に誓ったことがあった
それは「オール読み切り短編、続編無し」を貫く
こと
「続きが読みたい」というリクエストは、嬉しい
しかし、「お話の続き」は読者それぞれに想像し
て貰いたいと思っている
これは我が儘な野望であるが、エピソードの続き
を読んだ方が書いてくださったり、或いは「猫ア
パート」のオマージュ作品を作っていただけたら
な、と願っている


「家具付きの部屋」


「猫アパート」を創作するに当たって、これだけ
は譲れないと思っていたこと、その2
それはアパートのイメージを、ヨーロッパのいわ
ゆる「フラット」にすること
アンティーク家具付きの部屋や、住人それぞれの
趣味に合わせた内装などなどを取り入れようと思っ
たのには、そういうわけがあったのだ
ちなみに、時々出てくる家具デザイナーは、全て
実在の人物である


「猫アパートのある街」


「猫アパート」の外観を決めたとき、作品の中で
表現するかどうか迷った
内装は、住人達のイメージを決める上でも大事な
ものだから、こだわって表現するつもりだった
が…
迷った挙げ句、結局は心の中に秘めておくことに
した
住人それぞれ、読者それぞれの外観があっても、
面白いだろうと思ったので
但し、町並みについては、時々描くことにしてあ

そのうちに、駅前や商店街などについても記述し
ていこうと思っている


「スランプ」


基本的にリクエスト小説にスランプはないと思っ
ている
何しろアイデアは、リクエストして貰えるからだ
そもそも、アマチュアであるし、趣味で書いてい
る小説にスランプがあるはずがない
書きたいときに、書きたいように書けるから「趣
味」なのだから
それが出来ないときは、書かないだけのこと

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