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第2章:品評会「 第2話:「ヨーロッパ(ロココ)調ミラーボール」」 | ||
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一同はしばらく唖然と、れいんを見つめた。しろママがついに、口を開いた。 「ねぇ。サロンっていったらさー、普通はヨーロッパ調なんじゃないのかなぁ?」 「そうだよねー。シャンデリアとかねー」 誰かが、同意の声を上げる。その二人の会話をどう聞いたのか、しまちゃんが言った。 「え?ヨーロッパ調ミラーボール?」 …誰も、そんなことは言っていなかったのだが…。 「ヨーロッパ調ミラーボールって、何っ?!ロココ調のミラーボール?!」 「きっと大理石の女神像が、ミラーボールを支えているのよっ!」 一同、大爆笑の渦だ。一体、どこからそう言う発想が出てくるのだろうか。 やがて「ロココ調ミラーボール」の詳細を、それぞれ勝手に想像し尽くした頃、再びれい んが口を開いた。 「ねぇ。ところでミラーボールって、どうやって回るのかしら?」 「…え〜?気合いでしょ?」 気合いで、回してみてくれ。是非。 「それはきっと、誰かが手で回すのよ」 「えっ?扇風機で回すんじゃないの?」 いい加減な話がこれ以上蔓延する前に、誰かが至極まともな答を口にした。曰く、あれには モーターが着いていて、スイッチを入れると回り出すのだ、と。 一同、今一納得できない表情である。おそらく、この連中に必要なのは「弄くれる」解答な のであって、まともなものはハナから欲していなかったに違いあるまい。 おそらく正解が出てしまったので、れいんは更に質問を重ねた。 「じゃ、あのきらきらはどうするのかしら?」 MILETは、頬張っていたシュウマイを飲み込むと、まじめな顔で答えた。 「そりゃ、誰かが懐中電灯で照らすに決まってるじゃない」 そんなわけがあるまい。だが、一同に必要なのは、何度も言うように「まともな」解答では ないのだ。 「そうかー。じゃぁ、ミラーボールつけるときは、回す人と照らす人が必要なのね」 …そういうことにした方が、いいんだろう。この連中は。 |
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